楽しいことが一つもない
夫が愚痴った。私の毎日は楽しいことで溢れている。なんか申し訳ない気持ちになります。私が楽しいこと、一人でブログを書いている時間だったり、映画を見ている時だったり、美味しコーヒーを煎れている時だったり、読書している時だったり、実家に行って両親の顔を見たり、夫が仕事から無事に帰宅する瞬間だったり、全部が楽しい。マインドの違いなのでしょうか。楽しいことが一つもないと言う夫が気の毒になります。
何事もなく一日が過ぎること。普通の毎日が楽しく生きられる自分は幸せです。仕事もしないで一日中好きな事してるんだからそりゃそうだろ、と話を挿げ替えられてしまいます。仕事をしないで一日家にいる、だから幸せ、そう思っているとしたら大間違いなのですけど、面倒なので反論はしません。
つまらない人生だな…
そんな？今更人生論語る？人生とはなんぞや、20代の頃よくそんな哲学的なことを考えて辛くて生きている意味を無駄に考えて酒に溺れかけた時期もありました。答えなんか見つかるはずもなく、勝手に生んだ親を逆恨みして過ごした日々も遠い昔の話です。行き詰った時に海外へ逃げて人生リセットしたらスッキリしました。どうにでもなれ！と開き直ったことが功を奏したのかな、と思います。
仕事を辞め、結婚を諦め、10年間働いて貯めたお金を海外放浪の旅で全て使い果たし、ゼロからのスタート。添乗員になってからは毎日が忙しくたまの休みは体を休めることで精一杯、プライベートはほぼ何もしていない状態でしたけど、辛いとは思わなかったです。
何も考えられないほど日々の仕事に疲れ果て忙殺されたことがあの頃は良かったのだと思います。添乗の仕事に慣れるまでは必死でした。慣れてくると仕事もラクになり私にとっては添乗の仕事は趣味に近く楽しかったですし我ながら天職かな、なんて思ったりしていました。美味しい食事に温泉付き、タダで旅行へ行けて控えめに言って最高です。海外添乗もデビューもして、これで一生世界中を旅しながら楽しく人生終わるのだと思っていました。
思いがけず夫と出会い、私の人生が自分中心から夫中心に変わりました。人生のプライオリティーが変わった瞬間です。何が起こるか分からない、これが人生なのかな、と。あの頃は、まさか東日本大震災が起きてコロナ禍になって戦争勃発してこんな世の中になるなんて想像もしていませんでした。そう考えると激動の20年、です。
昨日の”そこまで言って委員会”が最近のニュースを哲学的に語る、という内容でした。色々な考え方があって面白いな～って見ていました。私には難しすぎて理解できない回答も多かったですけど、最後のテーマ、人生とは？で一番共感できたのは”毎日の積み重ねである”という安藤優子さんの答えでした。
生かされてるから生きなきゃしゃーねーなー…、みたいな惰性で生きている感じ？生きたい、と思っても病気とかで生きられない人もいることを考えると真面目に生きないと、とか思うし。生かされている、ということはそれなりの理由や役割があってのことなのかな、って思ったり。じゃあ、亡くなった人は役目が終わったから死んだの？と言われるとそれも違うと思うし。やっぱり生きている意味なんて分からん。
どうせ生きるなら、つまらない、と思って生きるより、楽しい、と思って生きる方がいい。そう思っているのかも知れません。ドラマティックな人生はもともと望んでいないし、野望や夢もないけど、それなりに幸せ。辛いと感じた時は空想の世界へ飛びます。手軽な現実逃避はあり得ない世界へ行くこと。私の場合、それが映画だったり小説だったりします。辛い時はコメディーかSF、勧善懲悪ヒーローものが定番です。
ストレスは極力溜めない、精神病むか体を病むか。私はストレスが原因で全身発疹とバセドウになりました。心を病む前に海外へ逃げたので精神疾患にはならずに済みました。今の私の役目は夫の心のケアと年老いた両親の見守りだと思っています。
夫には”何もしない（稼ぎが無い）”と愚痴を溢されますが、稼がなくても生活していけるなら、今は何もしないで家にいることが一番なのかな、と。なんでも都合よく捉えるのが得意な私です。今は、コロナ禍を働かない言い訳にしていますが、コロナ禍が収まったら”働け～”って言われるのかな…。その時はその時で考えよう。
私にとって人生とは、自分ができることを毎日やるだけ。極力迷惑をかけず、何不自由なく暮らせることに感謝し、いつ何が起こっても後悔しない人生をできるだけ楽しく精一杯生きたい。
夫が隣にいてビールとおつまみがあればいつでも簡単に幸せになれる私です。
お読みいただきありがとうございました。
