ストレスフリーを目指すブログ

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ノマドランドを視聴した感想

久々に色々と考えさせられる映画を見ました。ノマドランド2021年アカデミー賞作品賞を取った作品です。ノマド生活が老後の夢なので、見たい見たいとは思っていたのですが、今回やっとディズニー+で視聴することができました。

「See  you soon」ドームで出会うバックパッカー仲間との別れ際に交わした言葉。目的はだいたい同じなので行く先々で何度も同じ顔に再会するのです。情報交換するうちに徐々に仲良くなって行動を共にするようになったり…。半年間カナダを気の向くまま放浪していたバックパッカー時代を思い出してしまいました。20年も前のことです。

ディズニー+の無料期間が今月で終了するので、その前に見たい作品がないかどうかザッピングしていたら見つけました。ずっと前からやってたのかな?知らなかった。

馬車馬のように働いて定年後も更に働き続ける地獄からの解放。生きるために死ぬまで働くなんて冗談じゃない。質素で構わない、何かに縛られることなく自然に身を委ねて全国を旅してまわる。その時に出会う色々な事情を抱えた同じような境遇の人と触れ合いながら一期一会を楽しむ。

RTR(ラバー・トランプ・ランデブー放浪者の集会)を主宰するボブ・ウェルズが言う「身を粉にして働き、老いたら野に放たれる。放り出された者同士助け合うしかない。経済というタイタニックは沈みかけている」お金に頼るのでなく節約生活。キャンピングカーで旅して気が向いたらアマゾンでアルバイト。ストレスフリーな生活。働き蜂からの卒業。人生のんびりやろう。そんなメッセージを私は感じました。

主人公は他のノマドとは少し事情が違います。ノマドと言えば家を持たない人が、キャンピングカーやバンで移動しながら旅する放浪スタイルが定番ですが、主人公は地元を離れられない定住型ノマド、いわゆる車中生活者です。

亡くなった夫と長年過ごした夫が愛した土地を離れることができないのです。なので仕事(アマゾン倉庫でのクリスマスシーズンの季節契約)が終了して他のノマド仲間が温かい場所を求めて移動しても、主人公だけは残り極寒の地でバン生活をしているのです。

その主人公が色々なノマド生活者との交流の中で徐々に変わっていきます。色々な事情を抱えたノマド民。家族に迎えられてノマド生活から卒業する人もいれば、自分の死を悟り思い出の場所に回帰する人もいる。思い出に縛られるのではなく思い出せばいつでも好きな時に会える。場所に意味はない。

ボブが息子を自殺で失くしたエピソードを主人公に話すシーン。どうして私は息子のいない世界で生きているのか?生きる意味があるのか?そんな時、人を助けることが生きる希望になった。人を助けているつもりが実は救われていたのは自分のほうだった…、何かのドラマでもこんな感じのセリフがあったな…、思い出せません。

ボブの言葉。人に仕えることことが息子の供養になる、それが生きる気力、心の支えになった。ノマド生活者の多くは高齢者で皆悲しみや喪失感を抱えている。でも、それでいい。この生き方で一番好きなのは”さよなら”がないことだ。”また、どこかで”亡くなった人とも思い出すことで、語り合うことでまた会えるから。

倉庫に保管してあったもの全て処分して、本当の意味で新たなノマドランドへ出発する主人公の話です。これからは寒さに震えることなくノマドコミュニティで新たな旅が始まるのでしょう。

トレーラーで移動しながらアメリカ全土を旅して生活する人達の存在を知ったのはやはり映画でした。ジョニー・デップとディカプリオが兄弟役を演じた1993年の映画ギルバート・グレイプです。クジラのような巨体の母親と知的障害がある弟の世話で自分の人生がまったくない一家の大黒柱であるギルバートが、たまたまトレーラーの故障で数日留まることになったベッキーとの出会いによって自分の人生を取り戻す話。

母親の死をきっかけに新たなスタートラインに立つ始まりの物語。この土地を出ることはできないと諦めていたギルバートにとって、トレーラーで旅をしているベッキーたちは叶えられない夢だったのだと思います。「You can go anywhere!」アーニーがベッキーたちトレーラー集団を追いかけるシーンが素敵です。

ノマドランド、映画の感想を一言で言えば、私にとってやっぱりノマド生活が本当の意味での解放なのかな、と再確認できた、というか、自分が目指すトコロだな、と…。まあ老後の夢ですね。ハイ。

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それまで頑張って節約してお金貯めて、質素でいいからハウスレス生活。うーん、ハウスは維持しながら半ノマド生活。これができたら最高なのですけど、今の日本だと難しいのかな。死ぬまで働け~、って言われてるようなものですしね…。

ある程度長生きしたら死に方は自分で選びたい。病院のベットで苦しみながら死ぬなんて嫌だ。ノマドで好きな旅行をしながら死ねたら本望。迷惑は極力かけないように遺品整理は一星君にお願いして…。星降る、今季ドラマの一押しです。キュンキュンです。大奥も面白いですけど、大人向けです。お腹いっぱい胸いっぱいです。NHK攻めてます。

自分の老後とか死に方、生き様とか、なんか色々考えさせられるとても心に沁みる良い映画でした。アカデミー作品賞の映画って結構私的にはハズレが多いのですが、これは当たりでした。見る人、見る年齢によって全然違う感想になる映画。評価も真っ二つに割れるような気がします。感じ方は人それぞれ。ただ、地味で暗い映画と切り捨てるには惜しい映画です。

ギルバート・グレイプノマドランドも、新たな出発、希望の物語だと私は思います。後はダンサー・イン・ザ・ダークをいつ見るか…見ない方がいいのか…、悩むところです。見るとしたら”どんな時”がいいのか、適切な見ドキが分かりません。

読みいただきありがとうございました。