ストレスフリーを目指すブログ

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止める勇気と決断する大切さの話

人間は見た目ではない、分かっているものの生まれもって恵まれた体格の人を見るとどうしても羨ましく思ってしまう。例えば、大谷選手だったりトム・ブレイディ(引退撤回しました!現役続行です)だったり持って生まれた体格に加え血のにじむような努力で鍛え上げる肉体美は見ているだけでウットリします。最近では山ピーのシックスパックを見て素晴らしいと感嘆しました。大好きな窪田さんの腹筋も美しいです。努力次第で鍛えられる筋肉とは違いどうにもならないものもあります。例えば身長や足の長さや形は鍛えてどうにかなる問題ではないと思うのです。

私の場合コンプレックスは父そっくりの顔と毛深さでした。小学校のあだ名はグレムリン(ギズモ)だったりETだったり人間に例えらえることが少なかったような気がします。子供ながらに一番傷ついたのが「馬みたいな毛並み」と言われたことです。お風呂でもお湯に靡く腕の毛や脛毛を見てウンザリしていました。

中学に入ると脇毛処理とあわせて脛毛も剃り始めたため、高校になるとさらに長くて太い剛毛になっていきました。「毛深く生んだのは親のせいなんだから責任取ってよね」とめちゃめちゃなこと言って脱毛サロンへ行きたいとせがむと「お金払って脱毛しなくても50才になれば自然になくなるわよ」と。50才まで待てるか~!青春終わっちまうわ。(50才になった今、母の言ったことに納得です)とにかく一刻も早く脱毛を開始したい私は母を連れて脱毛サロンの扉を叩いたわけですが、高校生はまだホルモンバランスが安定していないので施術できません、と言われてしまいました。

高校卒業してから脱毛を始めたわけですが、最初の見積金額を見て母は唖然としていましたが、どうしてもやりたいという私の気持ちを尊重し半分負担してくれることになりました。半分は大人になってからの出世払いということで親から借金です。(ちゃんと借用書を作りました。勿論完済済みです)

まずは一番気になっていた脛毛から。今は技術も進化しているのでどういう施術かわかりませんが、当時は毛穴一つ一つに針をあてて毛根を焼くような施術方法でした。施術の後は冷却が必要で、しばらく痕が残るしその後瘡蓋になるので脱毛期間中は常にパンツスタイルで隠していました。とにかく脱毛一時間終わると体が硬直して暫く動けないくらい痛いのです。今から考えるとよく我慢したな、と過去の自分を褒めています。今だったら絶対途中で投げ出していると思います。

社会人になってローンが組めるようになると追加で腕や脇の脱毛も始めました。だから私の体には結構お金かかっています。それでも脱毛したことは良かったと思っています。とくに脇毛を気にしないでいつでも温泉に行けたり半袖になれることはとてもラクです。今はVIO脱毛が主流なのですね。ツルツルが流行りだとか。

整形する、脱毛する、植毛する、歯の矯正をするなどコンプレックスをお金でなんとかできるものならしたほうがいい、それでコンプレックスから解放されるのであれば、私は体をイジルことには肯定派です。ただし、やり過ぎには否定的です。原型を留めない整形だったり、不自然に崩壊したり、時々アバターみたいな人を見かけると怖くなります。なんでもそうですが、止める勇気が必要だと思います。私の脱毛もそうですが、脛毛だけと思っていても、脛毛が終わると腕も、脇も…と際限がなくなるものです。

最近の知床の遊覧船座礁事故も”運行取りやめ”を決断できずに出航したことが原因だと思います。運行を止める勇気、参加をとりやめる勇気、進まない勇気、キャンセルする勇気、もったいないからとか、あと少しとか、そういった欲が不幸な事故を招いたのだと思います。知床遊覧船に関しては儲け主義のダメダメ社長が安全対策を疎かにした結果、会社をダメにするテンプレのような気がしました。私が半年働いていたブラック企業の社長(世襲二代目)もそんなダメダメタイプの人でした。

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荒天予報の中での登山決行だったり、増水中の沢登だったり、強風荒波予報がある中での運航だったり、台風の中でのキャンプ(ドキュンの川流れ)だったり。判断が間違うと命の危険があることをもっと考えて行動するべきだと思います。川流れに至っては、周辺の方が注意喚起しているのにも関わらず続行した結果で自業自得です。助ける価値があったのか未だに疑問が残ります。助けられた後の映像を見ると胸糞悪くなります。莫大な救助費に税金が充てられていると思うと腸煮えくり返ります。

添乗員だったころ、今回の知床遊覧と同じような経験をしたことがあります。波が高く運航できないかも知れないと言われている中出航したのですが、波が高すぎて着岸できずそのまま戻ることになりました。普段船酔いしない私でさえ具合悪くなるくらいでしたので、お客様の殆どがグロッキー状態。下船してからの昼食だったのですが、これが昼食後の遊覧だったら全員でキラキラ事件になるところでした。

出航するかしないかは添乗員が判断できることではありません。船会社が出すと言ったら乗船するしかないのです。「危険なら止めた方が」と言うことはできます。ただ判断するのは船会社(または旅行会社)なので、添乗員としてできることは、旅行会社へ「船会社は運航できると言っていますが波が高い状態なので添乗員としてはリスクが高いと思いますが乗船しますか?」と報告をして指示を仰ぐことです。報告したうえで旅行会社がゴーであれば、それ以上添乗員ができることはありません。今回の知床遊覧船が自分の身にも起こりうることだったのでゾッとしました。これからは何でもどのような会社なのか、危険はないのか、他人任せではなく自分で調べて選択しないといけない時代になったな、と感じました。

団体ツアーで同じようなことがあれば、お客様個人の判断で乗船を取りやめることも考えるべきかと思います。船は出航します、ただ波が高いためかなり危険が伴います、という情報があれば、乗船しない選択もあると思います。当然乗船する権利を放棄するので返金はありません。(船が出航しない場合は返金されます)乗船して命を危険に晒すのか、放棄して危険を回避するかは個人の判断でいいと思います。

どう決断するにしろ一番後悔しないのは自分で決断することです。私は色々な意見を聞きつつもやはり最後は自分で決断するようにしています。でも雇われている身としては会社の命令は絶対ですから、個人で云々できるものでないときは従うしかありません。それが社会に属している辛さです。

私が添乗員として経験した命の危険は吹雪の中での運航です。山道走行中ホワイトアウトで目の前の視界がなくなった瞬間”死んだ”と思いました。八甲田でツアーバスが転落した事故も関東の雪道不慣れなドライバーが起こした事故だったと記憶していますが、進まない勇気、引き返す勇気、ツアーを中止する勇気も必要だと思います。一番優先すべきは命です。津波もそうですが、自然現象は人間の予想や想定をかなり超えてやってきます。自然を甘く見るべきではありません。添乗員としての役割はいくつかありますが、一番大きな役割はお客様の命を守ること。誰一人怪我人を出すことなく、参加人数欠けることなく全員無事に解散場所へ連れて戻ること、これが添乗員の責務だと思います。

お読みいただきありがとうございました。