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新人をどう育てていくかについての話

新人教育のやり方は難しい。添乗員だったころ、初めての添乗員デビューに付き添い役として同行することがありました。アサイナーからは見守るだけで極力手出ししないこと、と言われていたが、どうしても足りない説明だったり気になることがあると口を出してしまいました。頼んでおいたことをやっていなかったりすると怒ることや注意することが苦手な私は自分でやってしまうことが多かったような気がします。

私はもともと指導することや教えることが苦手。教えるより自分でやったほうが早いし簡単なので自分でやってしまうのです。でもそれは新人さんのためにはならないこと。それをアサイナーも分かっていたので滅多な事では見習い研修が付くことは少なかったのですが、それでも15年の添乗キャリアの中で、何人かデビューを見守ったと思います。その時の話は別記事で

u-tantantan.hatenablog.com

夫が委託配送に関わっている会社でも新人さんが入ってきたようで、今その教育方法で意見が割れているそうです。入社早々コロナに感染して迷惑被った話は別記事で

u-tantantan.hatenablog.com

簡単なものから教える方法と難しいものや面倒なことから教える方法

どちらが正解か?私には分かりません。私が添乗員として働きだした時のことを思い出しました。添乗員デビューは2004年の秋でした。半年のカナダ放浪旅から帰国してすぐ派遣登録、数日の研修後、国内添乗資格を持っていた私はすぐにツアーがアサインされてデビューとなりました。

当時は見習い付き添い制度はなかったので一人デビューです。震える手でマイクを握り参加お礼の挨拶から自己紹介、ツアー中の注意事項など一通りマニュアル通りに説明します。

次は本日の行程についての説明です。そこでトラブル発生です。忘れもしない、添乗デビューのコースに問題があったのです。ツアー募集内容は、ハイキングの後の温泉入浴だったのですが、それだと午後3時以降の立寄り入浴になるためその時間帯は宿泊者専用で外来入浴はできないことがツアー前日に判明したのです。

これは、企画時点での確認ミスで旅行会社が悪いわけです。今思うと手配発生時に見過ごされていたことにも驚きです。立寄り時間など確認を怠ったか、もしくは手配ミスか。どちらにせよ旅行会社のミスです。

ツアーがアサインされると、事前準備で各施設(宿泊、食事、見学施設等)へ確認をするの打ち合わせがあるのですが、ツアー前日の打ち合わせの際にその施設へ確認した時に、立寄る時間帯の入浴ができないことが判明したのです。

施設から入浴を断られ慌てて旅行会社の企画担当者へ連絡するも「じゃあ入れ替えるしかないよね、先に温泉行っちゃって」みたいな軽いノリで返されたので、私もそんなに深刻に捉えていませんでした。

だからお客様がバス車内で怒りだした時はパニックになったような気がします。気が動転してなんで怒られているのかも分かっていない状態だったような気がします。

見学地の変更ではなく行く順番が入れ替わっただけなので旅程保証には触れないのですが、ハイキングの後に温泉で汗をながしたい、と考えていたお客様にとっては行程変更は受け入れ難く、私がバス車内で説明すると怒号の嵐になりました。

殆どのお客様は文句を言いながらも仕方ないね、と納得していましたが、一人だけ頑なに企画時点での確認ミス、手配時点での確認ミス、事前に分かったら出発前にでも一報を入れるなり、謝罪があってもいいはず、などとしつこく指摘する人がいました。

私はひたすら謝りました。私が悪いわけでもないのですが、とにかくひたすら頭を下げました。でもそのお客様はずっと文句を言い続けていました。結局温泉にも入らず、ハイキングも行かず、ずっと不貞腐れたまま1日を過ごしていました。

そんなこんなで夕食時。怒り心頭のお客様は夕食会場にも顔を出しません。殆どのお客様が食事を終えて部屋に戻る中、1時間遅れでやっとそのお客様がやってきました。

「あんたが悪いんじゃないのに、怒って悪かったな」

宿について一服して温泉入って少し落ち着いたのだと思います。同行していたお友達にかなり窘められた様子でした。

色々ありましたが、無事に3日間のツアーを終えてお別れの時、バスガイドさんがぶっちゃけてしまいました。「実は添乗員さんは今日がデビューでして…」拍手を頂いて大変だったね~、頑張ったね~、と言葉を頂いたときは泣きそうになりました。

こんな最悪なデビューだったからこそ、それ以降のツアーがラクに感じたし楽しかったです。楽で簡単なデビューだとしたらこんなに長く続かなかったかも知れません。そう考えると、簡単なものに慣れてからステップアップするより、最初に難しい物から取り組んでそれが普通だと思ってしまう方が後々いいのかも知れません。

添乗でも楽なコースと大変なコースがあります。コースによって料金が変わるわけではないので、同じ日当なら楽なコースの方がいいのは当然です。でも楽なコースから覚えてしまうと大変なコースに当たった時「こんなはずじゃなかった」と思うでしょう。

大変なコースでデビューをして、これが添乗員の仕事だと思っていれば、楽なコースに当たった時「これはラクだ!ご褒美コースだ!」と思います。ご褒美コースは高額ツアー(VIP向け)だったりするので、ベテラン添乗員が指名されることが多く、キャリア何年以上などの条件があるのです。

だから新人のうちはオプション販売や車内販売が多い面倒な大衆向けツアーコースで経験を積んだのちステップアップする、というのが添乗業界では通例となっています。

ミスをしてクレームを貰う度に見直し、自分のやり方を模索しながら自分なりの添乗を覚えていくのです。添乗の仕事は正解がありません。お客様アンケートの評価が悪ければ後々のアサインに影響してきます。その点ではやりがいのある仕事です。

教育方法は業種によっても業務内容によっても教え方や教える順番は変わってくると思いますし、新人がどのような性格なのか?も見極める必要があると思います。

飲み込みが早いのか遅いのか、基本的な常識を持ち合わしているのか否か、精神が強いのか弱いのかなどなど。一概に何が正解かは言えないと思います。

夫の委託先会社でも新人教育方法について同じような問題があるらしく、簡単かものから覚えて徐々にステップアップするか、難しいことから覚えて徐々に楽な仕事をご褒美として与えていく方法か、どちらかで揉めているようです。

今どきの若者に厳しくするとすぐ辞めてしまう可能性があるので最初から難しいことを教えるのもどうか?簡単なものから教えるべき、という意見。反対に最初にラクを覚えてしまうと後から難しいことに直面した時が大変、だから最初から難しいことを教えたほうがいい、という意見。

その新人さんに、どちらがいいのか?私にもわかりません。配送の仕事は添乗員の仕事とはまた別だからです。どちらにしろ、新人がミスをした時に周りがフォローできるような体制が一番好ましいと思います。配送の仕事で簡単なのは郊外、難しいのは街中だそうです。道が複雑なのと配達先が現場なので覚えることも多いそうです。

夫は難しい街中を最初に教えた方がいいと言います。街中ならいつでもフォローできるから、という理由です。困った時やトラブルの時、街中であればフォローできますが郊外だとフォローが難しい、というのが理由です。街中である程度経験をつめば、郊外もラクに覚えることができる、だから効率がいい、そういう意見です。

今話題の4630万給付金を振込ミスした新人さんが責められるのは気の毒に思います。新人はミスして仕方ないこと。人間誰だってミスは犯します。ミスしたことのない人ってこの世にいるのでしょうか?振り込み作業を新人一人に任せるのは荷が重いし、誰かがフォローするべき。特にお金に関することは複数人でチェックするのが普通です。

責められるべきは役所の管理体制であって、ミスをした新人ではないと私は思います。私も同じような経験があるのでよくわかります。ほんのニ年前のブラック企業での出来事です。その話は後日記事にしたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。