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愚かで怖くて残酷な人間の話

4月は何かを始めるには適した季節。でも年齢を重ねるうちに何かを始めることが億劫になってきました。さかのぼること30年前、夢と希望に溢れ入社した会社。初めてのお給料が嬉しかったこと。額面で15万手取り12万くらいでしたでしょうか。初めてのお給料、奮発して銀座三越で買ったバーバリーの傘は今でも現役で使っています。

就職活動は地獄でした。バブル景気が終焉を迎えた平成3年が就活の年でした。書類選考で落とされる、やっと面接にこぎつけても周りに圧倒され撃沈、誰にも必要とされない人間なんだと悲観的になり落ち込む日々。その当時はまだお酒が飲めない年齢だったし今ほど図太くなかったのでお先真っ暗な状態で本当に悲惨な日々でした。

あの時程勉強しなかったことへの後悔はありません。大学を出ていないことが就活にこれほど影響するものなのかと実感しました。まず応募可能条件が大卒ならスタートラインにすら立てないのです。応募できたとしても書類選考で撃沈です。やっぱり大学には進学するべきでした。受験戦争を勝ち抜くことがアドバンテージになることを当時は軽くみていました。

旅行会社に入って色々旅をするようになってから、日本史だったり世界史だったり歴史を勉強しておけばよかったと思うようになりました。大河ドラマにハマってからは戦国武将にも興味を持つようになりました。江戸末期から明治維新の幕末も凄い時代、今から155年前にはまだ丁髷で大政奉還していたのですから衝撃です。

今の時代に生まれて良かった。昭和40年代高度成長期に生まれ平成バブルで就職、バブル崩壊後失われた20年間迷い彷徨いながら働き、デジタルの進化とともにいる世代。第二次ベビーブームで生まれた私たち世代が一番恵まれている世代ではないかな、と思います。これからどん底日本を背負う若者や生まれてくる子供が気の毒で憂いています。

なんとか運よく旅行会社に就職できたものの、そこで出会ったクソ上司に苛められ無視すればいいのにまだ若かった私は彼の挑発にまんまとハマり辞めることなど考えていなかったのにも関わらず売り言葉に買い言葉で「辞めます!」と啖呵をきった。しまった!と思ったけど後の祭り。もう後には戻れません。上司はこれ見よがしに退職届を要求してきた。そのクソ上司は本社からの左遷で人間的に欠陥がある人でした。本社で使い物にならず、子会社に押し付けられたお荷物社員。気の毒な人です。今だったら余裕でスルーできると思うのですが、若かったです。

「俺は本社の人間だ」が口癖でした。「戻れねーよ、ばーか」といつも心で呟いていました。地下鉄サリン事件で被害にあった一本前の電車に乗っていたらしく「一本待ってたら俺が死んでたかも」と大騒ぎしていて「残念!」と思ってしまったことを良く覚えています。クソ上司にも家族はいるわけで、そんな風に思ってしまったことは絶対にいけないことです。反省しています。

東京での新社会人生活はそれなりに楽しい3年間でした。その間父が東京勤務(転勤族)だったので同居していて経済的負担が少なかったから良かったのですが、私が退社した翌年の4月から父が転勤で東京を離れることになり、それを機に私も東京を出て故郷に戻ることになり現在に至ります。安月給では東京での一人暮らしは無理です。物価も全然違いますし、やはり東京は住むところとしてはハードルが高いかな、と思います。

自己都合の退職だったため雇用保険は3ヶ月出ませんでした。保険金を貰うために半年間は職安に通いながら遊んで暮らしていたと思います。その時に毎週ツタヤに通い詰め100本近くの映画を見たと思います。

クラシック映画にハマり色々見た中で特に衝撃を受けたのは「道」という映画です。フェリーニの作品は難解過ぎてあまり好きではなかったのですが、この映画は衝撃でした。もう一度見たいとは思いませんが、あれほど衝撃を受けた作品は「道」が初めてです。タ~ララララ~というトランペットの音を聴くとアンソニークインの嗚咽が鮮明に思い出されます。

もし「道」に興味があり見てみようかな、と考えている方がいるとしたら、精神不安定なときに見ると精神崩壊することもあるので、健康状態の良い時に見ることをお勧めします。私はかなり精神的に追い詰められている時に見てしまったので、この映画を見終わった数時間は動くことができませんでした。立ち直るのに数週間を要しました。見るときの心の健康状態に気を付けるようにしてください。この映画を見て感じたのは「人間って愚かだな」ということ。ジェルソミーナがどんな想いで側にいたか。アンソニークインの喪失感。思い出すだけで脱力してしまいます。

あと衝撃を受けたのは「ミザリー」です。キャシー・ベイツの怖いこと怖いこと。しばらくオバサン恐怖症に陥りました。人の好さそうなオバサンを見るといつか豹変して斧で襲い掛かってくるのではないかとトラウマになってしまいました。この映画の感想は「人間って怖い」でした。

カッコーの巣の上で」も結構な衝撃でした。ジャック・ニコルソンの狂気もさることながら、看護婦長の冷酷さが怖すぎる。問題児はロボトミーで黙らせる恐怖。この映画の感想は「人間って残酷」でした。

愚かで怖くて残酷、人間は諸悪の根源なんですかね。

リアルタイムで映画館で見たもので衝撃を受けたのは「ショーシャンクの空に」と「グリーンマイル」「ミスティックリバー」です。ショーシャンクとグリーンマイルスティーブン・キング原作です。どうしても「キャリー」「ミザリー」「シャイニング」のイメージが強いのでホラーの帝王と言われますが「スタンド・バイ・ミー」のようなジュベナイル小説も書いています。実際に小説を読んだことがないので時間ができたら読んでみようかなと思っています。

ショーシャンクとミスティックに出演しているティム・ロビンスのファンだったので彼を見たいがために選んだその映画が予想外のエグさで衝撃でした。ショーシャンクは途中辛すぎて退場しようかと思ったほどですが最後に救われました。グリーンマイルは不思議な力によって生かされている(死ねない)トム・ハンクスに感情移入してしまい、何とかしてあげたいと思ってしまいました。尊厳死とか安楽死とか色々考えてしまった映画です。ミスティックはティムの妻が辛すぎます。私だったら絶対夫を信じます。愛する人を信じることが一番後悔しないと思います。

なんだか思い出すだけでどっと疲れてきました。以上紹介した映画は一度しか見ていないので朧気ではありますが、当時見た時にはかなりの衝撃的でした。多分これからも見ることはないと思いますが映画史に残る名作であることは確かだと思います。興味のある方は是非心が穏やかな時に見てみてください。

今回は衝撃を受けた映画ばかりでしたが、幸せな映画や癒される映画、人生って素晴らしいと思わせてくれる映画も沢山あります。その話は別記事でu-tantantan.hatenablog.com

お読みいただきありがとうございました。